[an error occurred while processing this directive]
グローバル・ジャパン―日本文化の過去、現在、そして未来―

20周年記念イニシアティブ

はじめに

これからの指針

「グローバル・ジャパン」イニシアティブをご支援いただくにあたって

創立20周年特別企画

ドナルド・キーンから未来へと受け継ぐもの

 作家・河野多恵子氏からの特別メッセージ

コロンビア大学総長リー・C・ボリンジャー氏からのメッセージ

キーンセンターへ寄せられたお祝いの言葉

 

はじめに

21世紀を迎えた今、文学や映画はもとよりレストランのメニューからアニメまで、私たちはかつてないほど様々な場面で「日本」に接しています。日本文化に向けられた関心は近年世界中に広がっています。国境を越え、文化の境界の壁がとりはずされるにつれ、「文化」に対する人々の考え方や感じ方もまた、大きな変革の波を受けてきています。

コロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センターは、日本文化のみならず、他文化との交流をも視野に入れた知的議論の最先端を行くフォーラムとして、またそれを目指すべく、ここニューヨークの内外で様々な活動を続けて参りました。

文化間の対話を活性化させ、過去と現在を知識によって対照させることを使命としてきた当センターにとって、2006年はキーンセンターの創立20周年にあたり画期的な年となります。コロンビア大学総長ボウリンジャー氏は、現在大学が果たすべき優先事項のひとつとして「グローバリゼーション研究の促進と拡大」を掲げています。今まさにキーンセンターは、このテーマに取り組むべき特別な立場にあります。その主な理由は、以下4点に集約されるキーンセンターの特色によります。

*キーンセンターは、ニューヨークという文化の世界的交差点としての絶好の
地理的条件と、コロンビア大学が世界に誇るその学術資源を兼ね備えていま
す。

*キーンセンターは、アジアを除く地域では五指に入るとされる東アジア関連
 書籍の宝庫、C.V.スター図書館と密接な協調関係を持っています。

*キーンセンターは、国際交流基金から国際交流奨励賞(1996年)を受賞しま
したが、諸外国の人々に向けて日本文化の紹介という使命を担い、20年間に
わたってその貴重な経験を培って参りました。

*キーンセンターは、11世紀の宮廷ロマンス源氏物語から20世紀の怪獣映画ゴ
ジラまで、かつてない広範囲の日本文化を扱うべく、近年プログラムの拡充
を図って参りました。

 

これからの指針

この記念すべき20周年にむけて、キーンセンターは、コロンビア大学の新潮日本文学講座名誉教授、ならびにユニバーシティ・プロフェッサーとして長年教鞭を執られてきたドナルド・キーン氏の功績を讃えるべく、「グローバル・ジャパン」イニシアティブを発足することになりました。「グローバル・ジャパン ――日本文化の過去、現在、そして未来――」というテーマのもとで、スター図書館をはじめコロンビア大学が有する日本関係の施設およびリソースを存分に活用し、様々な特別記念プログラムを催しますので、皆様には奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます。なお、上記のプログラムにつきまして、以下3つの指針を掲げています。

* 新しいメディアの模索、現代文化の探求、そして学際的研究の実施を含む日本研究の新たな展望を掲げ、それに基づいたプログラムを実施する。

* 研究および教育の両分野で新たなフィールドを確立するとともに、さらなる奨励基金を設け、教育プログラムの拡充を図る。

* キーンセンターのこれまでの業績と今後進むべき方向性を考慮し、
 一般公開イベントの企画を充実させ、より広範囲の観客動員を目指す。

おびただしい数の文化商品が我々の周りに生み出されていくにつれ、文化の動向が多様化し、それを探求する側の学問自体も幅が広がり、本の世界だけでは現実を理解することがますます難しくなってきています。日本を「学ぶ」、あるいは「経験する」ということへの新たな方策を十分に探求するために、我々はいま一度、文化の定義について考え直さなければなりません。今日の日本研究では、子供の玩具から現代映画やマルチメディア・アートまで、あらゆる文化商品を検証すると同時に、これまでの伝統的な学問のあり方に疑問を投げ掛け、より豊かな文化理解、現実理解へ向けて新たなステージを迎えています。

キーンセンターは、このように、過去と現在、新旧のメディア、そして日本の内外が錯綜した形で繋がっている中でその結び目を解明する研究の最前線に立っています。様々な日本のメディアや製品に熱狂的な関心が寄せられている現在、キーンセンターは常に、それらの持つ漠然としたイメージを解析し、それぞれの現象の背後にある日本文化への理解を深めるよう努めて参りました。

とくに、スター図書館の豊富な専門的リソースは重要な役割を果たしており、質量ともに充実した書籍および定期刊行物はもとより、フィルム・コレクション、デジタル・リサーチ、パフォーミング・アーツ関係の資料など、多方面におよぶ確かなサポートを提供しています。世界的に著名で経験豊かな専門職員による仕事ぶりと1世紀以上におよぶその伝統は、コロンビア大学で日夜産まれる革新的な研究を支える大きな礎となっています。

キーンセンターはより開かれた教育機関の確立を志し、これまで同様多くのイベントを無料で一般の方々に向けて公開する予定です。それはとりもなおさず、皆様からのご支援ご賛同が、キーンセンターの活動にとって非常に重要な役割を果たしているということに他なりません。日本と諸外国との交流が今後ますます盛んになるにつれ、その基盤として、文化の相互理解がより一層必要とされるでしょう。キーンセンターは、お互いの文化理解を豊かに、そして明確なものにしていくために、その重要な橋渡し役としてこれからも精進していく所存です。「グローバル・ジャパン」イニシアティブに対し皆様から戴いた多大なるご協力のもと、より確かな未来へ向けて新しい文化の架け橋をともに築いていけることを、心より願っております。

 

「グローバル・ジャパン」イニシアティブをご支援いただくにあたって

「グローバル・ジャパン」イニシアティブの趣旨にご賛同頂く皆様のご協力に基づきまして、キーンセンターとスター図書館では以下のプロジェクトを推進いたします。

* 日本文化に関する3つの新たな連続公開講座のための永久基金を設立。
* スター図書館における日本および東アジアに関するマキノ・フィルム・コレクションの収集・管理運営費用の一部を負担。
* 日本映画およびメディア・スタディーズの新講座のための基金を設立。
* スター図書館における主要スタッフのための財源を確保。
* 雅楽から「ノイズ」にいたるまで、日本における幅広い音の世界を探求するための新しい音楽教育プログラムの確立と、それに伴う楽器等の入手および施設の整備。
* キーンセンターのオンライン・コンテンツならびにオンライン・エデュケーションの整備拡充を図り、より広範囲なサービスを提供。
* キーンセンターのイベントスペースを設立。
* スター図書館においてドナルド・キーン図書基金を設立ならびに運営。
* キーンセンター交換研究員プログラムを開始。
* 大学院生および若手研究者のための新しい特別奨学金制度を設立。
* キーンセンター出版事業を開始。

上記以外の基金に関するご提案がございましたらお申し出下さい。また、ほかにもスポンサー名をつけることが可能な講座基金枠がございますので、ご質問等ございましたら、下記までご連絡いただければ幸いに存じます。

キーンセンター Donald Keene Center of Japanese Culture
電話番号  +1 212-854-4556
ファックス +1 212-854-4019
Eメール donald-keene-center@columbia.edu

スター東亜図書館 C.V. Starr East Asian Library
電話番号  +1 212-854-2547
ファックス +1 212-662-6286
Eメール heinrich@columbia.edu

日本語でのご連絡も承っております。

 

創立20周年特別企画

キーンセンター創立20周年を記念し、当センターとスター図書館では、以下の特別イベントを開催する予定です。

2006年春
ドナルド・キーン日本文学選集出版50周年記念レセプション
(於スター図書館)

ドナルド・キーン日本文化奨励賞設立の公式発表および今年度受賞者の発表
(以後毎年受賞者の発表を予定)

第18回千宗室日本文化講演会
(講演者:ドナルド・キーン氏)

2006年秋
雅楽記念公演
(於コロンビア大学ローライブラリー・ロタンダ)

キーンセンター創立20周年記念シンポジウム
「書物の過去と未来:日本における出版文化の変遷」

特別イベントに関する詳細につきましては、下記までお問い合わせください。
コロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センター
電話:+1 212-854-5036
Eメール: donald-keene-center@columbia.edu
ウェブサイト: www.columbia.edu/cu/ealac/dkc

 

ドナルド・キーンから未来へと受け継ぐもの

ドナルド・キーンは、長いあいだ氷に閉ざされていた日本文学の西方へ向けた窓を、愛情こめた一行一行の英文の暖かい風によって、一挙に解氷し、開放してくれた。
(詩人・大岡信氏から頂戴したお祝いのメッセージより)

ドナルド・キーン教授は、日本文学、歴史、そして文化の領域において最も優れた研究者として世界にその名を知られています。キーン教授の手による書物ならびに講義を通して、国を問わず多くの人々が豊かな日本文化を享受してきました。この世に誕生してから半世紀、ドナルド・キーンの「日本文学選集」は、今日まで途絶えることなく人々に読まれつづけてきました。これからも未来の読者は、その頁の向こうに広がる日本文化の芳醇な世界へと旅を続けることでしょう。

 

作家・河野多恵子氏からの特別メッセージ

「おめでとうございます(二十周年を祝して)」
コロンビア大学のドナルド・キーン日本文化センターが創立20周年を迎える。日本文学・文化の研究の発展と日米両国間の文化交流を主たる目的とする同センターのこの二十年間の旺盛な活動は、それを識る多くの人たちに感動のおもいさえ抱かせたことだろう。幾つもの制度や文化行事、その他の数多いプログラムは、その広い視野と深い配慮とそして情熱のたまものとして、確実に輝かしい成果をあげてきた。今や、キーンセンターは日本文学・文化の研究あるいは理解を目指す人たちにとって、世界的にも頼もしい拠りどころとなっている。そして、同センターの力強い活動が日本の文学者をはじめ芸術家たちに、さまざまのかたちでいかに抱負と励みを惹き起こしていることか、ここにぜひとも書き添えておかねばならない。

 


コロンビア大学総長リー・C・ボリンジャー氏からのメッセージ

ドナルド・キーン日本文化センターは、コロンビア大学とニューヨーク市においてとても貴重な役割を担っています。著名な芸術家、専門家、そして研究者の方々をキャンパスに招き、多くの文化的イベントを一般市民の皆様に無料で公開しているキーンセンターは、日本の芸術や文化の研究を大いに活性化させてきました。このたび、キーンセンターが創立20周年を迎えるにあたり、長年にわたる文化の多様性に根ざした研究とグローバルな視野に基づく交流の育成への貢献に対して、心よりお祝い申し上げます。


キーンセンターへ寄せられたお祝いの言葉(アルファベット順)


合衆国における日本文化と歴史についての啓蒙に勤しんできたキーンセンターは、日本文学研究の泰斗であるその人の名に相応しく、さらなる目標に向かって寄与する姿は広く知られ尊敬を集めしむるものである。

ピーター・ドウス (スタンフォード大学名誉教授)

たった20年の間に、キーンセンターは、その名に恥じない最上の文化施設として頭角を現してきた。

カール・フライデイ(ジョージア大学教授)

キーンセンターは、ニューヨークの一般市民に多大なる貢献をしてきた。日本文化に関する素晴らしい公開講座の数々は、私達を豊かにし日本の事柄における機微を教え、そして私達を平和的共存への道へと導いてくれる。

ベアテ・シロタ・ゴードン(作家、文化大使)

驚くべきことは、源氏からゴジラまで、象牙の塔というイメージからはおよそかけはなれたその企画の幅広さにある。キーンセンターのプログラムは日本におけるトレンドを教えてくれると同時に、かつてコロンビアの学部時代に僕が学んだことをより豊かにしてくれる。その存在は、よその大学が持ち得ない素晴らしい宝物を明らかにしてくれる。つまり、インスピレーション、伝統、そしてドナルド・キーン教授その人が今なおもたらす貢献だ。

フレッド・カタヤマ(元CNNアンカーおよびリポーター、
 NHK「ジャパン・ビジネス・トゥデイ」リポーター、
 フォーチューン誌東京特派員)
         

創立20周年おめでとうございます。これまで日本文学や日本の伝統的な諸芸術を意欲的にアメリカに紹介し、日米の文化交流に多大な足跡を残されました。これからも、その文化交流の橋渡しを続けてください。援助も含めて協力をおしみません。

真鍋俊照(四国大学)


その短い歴史において、学問の世界にこれほどの貢献をなした機関は例を見ず、さらに重要なことは、一般市民における米日両国間の文化理解にこれほど大きく寄与した機関はない。象牙の塔に閉じこもることは全くなく、キーンセンターは、芸術家、作家、映画監督、音楽家を取り上げた様々なイベントの活気に満ちたホスト役を買って出て、しかも大方無料で市民に公開している。

ドナルド・ローデン(ラトガーズ大学)

キーンセンターの存在は、我々にとって常に指針であり挑戦である。これからも、米国はもとより世界における日本研究を繁栄させ、また先導していかれることを願う。

タイモン・スクリーチ (ロンドン大学日本研究所所長)


日本文化は単一の価値観によってつくりだされていると思われがちです。しかし、日本文化の底には、多様な価値観が沈殿しています。それ故、日本文化の独自性を真に認識するためには、多様な視点からの分析を必要とします。日本文化への深い洞察力をもつドナルド・キーン氏と貴センターは、こういう作業を長年にわたって継続してきました。その活動がこれから大きく飛躍するのではないかと喜んでいます。

鈴木忠志(舞台監督)

D.キーン博士に天が与えた才によりセンターが設立された。そこには錚々たる人物を吸引し、米国における日本文化の発信地の役を果たした。今後は全世界における日本文化交流の拠点となることを確信している。

鳥越文蔵(早稲田大学名誉教授)

過去20年の間にキーンセンターが主催した学術会議やシンポジウムは、数多くの革新的な出版物を生み出した。そのひとつは私自身が参加したもので、後に「ジャパニマルズ ― 動物をめぐる日本の歴史と文化」(グレゴリー・フルーグフェルダーと共編)として出版された。このように、キーンセンターのもたらす日本研究は世界中に読者を生み、その貢献はニューヨークはもちろんアメリカの外にも及ぶ。

ブレット・ウォーカー
(モンタナ州立大学日本研究プログラム・ディレクター)

[an error occurred while processing this directive]